河野洋平衆院議長は15日、全国戦没者追悼式の「追悼の辞」で、「政
府が特定の宗教によらない、すべての人が思いを一にして追悼できる施
設の設置について真剣に検討を進めることが強く求められている」と述
べ、政府に対して、無宗教の新たな戦没者追悼施設の建設が望ましいと
の考えを表明した。靖国神社参拝問題を踏まえた発言。新たな追悼施設
をめぐっては、福田康夫首相が官房長官当時に主宰した私的懇談会が0
2年12月、「国立の無宗教の恒久的施設が必要」との報告書を答申。
しかし自民党内に慎重論が根強く、棚上げになっている。河野氏は、日
本と中国、韓国など近隣諸国との関係について「いまだに歴史に背景を
持つ未解決の問題がとげとなり、摩擦を引き起こしている」と指摘した。

 

また河野衆院議長が差し出がましい発言をしている。立ち消えになった
はずの国立追悼施設構想を、わざわざ全国戦没者追悼式で表明する必要
がいったいどこにあると言うのであろうか。町村官房長官は15日午前
の記者会見で、国立追悼施設について「政府が先頭を切って突っ走る話
ではない。国民の皆さんがこの問題をどう受け止め、議論が行われてい
るかを見極める必要がある」と慎重な発言に終始していたが、これは妥
当な判断だろう。政府が積極的に推進するような性質のものでは無く、
国民の理解を得ないまま建設したところで誰も有り難いものだとは思わ
ないはずだ。それでも推進しようとするのは、中韓に対して含むところ
があるのではないかと言わざるを得ない。無用の長物を作って、事実上
の追悼施設である靖国神社を蔑にする愚行を黙って見過ごすことは絶対
に出来ない。