民主党野田佳彦広報委員長は19日、9月の党代表選出馬に向け本格的
な調整に入った。ただ、小沢一郎代表の三選が確実な情勢の中、立候補に
必要な推薦人20人が集まるかどうかは微妙な情勢で、週内に最終判断す
る方針。野田氏が出馬できなければ、小沢氏の無投票三選の可能性が強ま
る。野田氏は19日、中堅・若手の人望が厚い岡田克也副代表と電話で会
談し、出馬に前向きな意向を伝えた。また、松本剛明政調会長ら野田氏
を支持する議員グループ「花斉会」の主要メンバーとも東京都内で会い、
出馬について意見交換した。しかし会合では主戦論の一方、「結果が分か
っているのに、代表選をやるのは意味がない」などの慎重論も半ばした。
同じ出馬に意欲を示している枝野幸男政調会長は野田氏の対応を見極め
て最終判断する。

 

民主党の代表選が近付いているが、小沢代表の三選が揺らぐことは無いだ
ろう。それでも党内から代表選に出馬しようと言う動きが出てくることは、
小沢代表の党運営に対する抗議の意味でもあるのか。与党を追い込み、次
衆院選では優位な態勢を維持している状況で、いちいち波風を立てて欲
しくないのが執行部としての本音のはずだ。このまま小沢代表を担いで、
次期衆院選に勝利することが出来れば、念願の政権交代が実現し、民主党
を中心とした政権が誕生した際、入閣の可能性も出てくる。そこで敢えて
代表選に出馬すれば、確実に干されかねないだけに、野田氏を支持するグ
ループのメンバーとしても、慎重論を唱える動きが出るのも当然だ。干さ
れることになってでも、小沢氏と代表の座を争う意義とは何か。野田氏の
動きが小さな波紋を呼んでいる。