ロイター通信と米ゾグビー社が20日発表した米大統領選の支持率調査に
よると、共和党のマケイン上院議員が46%で、民主党オバマ上院議員
(41%)を5ポイント差で上回った。前回7月調査ではオバマ氏が7ポ
イントのリードだった。オバマ氏がリードしている他の調査でも両氏の差
は大幅に縮まり、激戦の様相を一段と深めている。調査の分析では、マケ
イン氏がロシアとグルジアの軍事衝突で存在感を示したことなどが後押し
したとされる。経済対策でもオバマ氏に9ポイント差を付けた。オバマ
民主党支持層で9ポイント減らしたほか、支持基盤の35歳未満の若年
・青年層で12ポイント、大卒などで11ポイント減少。幅広い層で下落
した。他の最新調査では、ロサンゼルス・タイムズでオバマ氏が45%で
マケイン氏(43%)に2ポイント差でリードしたが、6月の12ポイン
ト差から大幅に縮小。クイニピアック大調査ではオバマ氏のリードは7月
の9ポイントから5ポイントに縮まった。

 

まるで大統領選の本選であるかのように盛り上がった米民主党予備選挙
だが、その熱狂が冷めた後には、米共和党のマケイン氏が着々と支持を固
めて、経験不足とされるオバマ氏に対する支持が落ち込みつつある。民主
党の予備選挙が長引いたことで予期されていた、オバマ氏とクリントン
が激戦を繰り広げていた中で、マケイン氏が結局のところは漁夫の利を得
る、と言う構図が完成しようとしている。むろん、本選までこの状態が続
くわけではなかろうが、オバマ氏の支持基盤とされる35歳未満の若年・
青年層で大幅な下落が見られるのは気になる点だ。明日にも発表されると
される副大統領候補が誰なのかによって、支持率が上下することになるで
あろう。安保・外交に強いとされるマケイン氏にとってロシアとグルジア
の交戦は、思わぬ援護射撃となったようだが、このまま支持率が維持出来
るかはわからない。オバマ氏がどのような反撃をしてくるか、追われる立
場になったマケイン氏に注目が集まる。