民主党代表選は22日、小沢一郎代表が無投票で3選されることが確実な
情勢となった。立候補を検討していた野田佳彦広報委員長が出馬断念、枝
野幸男元政調会長が事実上の立候補見送りを表明し、動向が注目されてい
た有力候補全員の不出馬が確定したためだ。野田氏は同日午前、記者団に
対し「総合的に判断し、戦う状況にはない」と断念を明言。これを受けて
枝野氏は同日午後、国会内で記者団に「(私自身出馬に)前向きでないこ
とは間違いない。私は野田氏を応援し、私自身が当事者になり得る代表選
は終わったと思っていた」と述べた。

 

野田佳彦氏にとって、ここで小沢氏と正面を切って戦うことは、勝敗が決
まっている上に、失うものの方が大きいと判断した結果であろう。推薦人
を集めること自体は、そう難しいことではなかったはずだが、無投票での
3選が規定路線となった党内で干されることを恐れれば、当然のこととも
言える。政権交代が目前に迫っている中で、敢えて党内に波風を立てる必
要は無いと言う大義名分も大きい。野田氏が立候補見送りをしたことによ
って、枝田氏も一人で立つ訳にはいかずに断念せざるを得なかった。鳩山
幹事長は「無投票となれば、小沢代表が政権を取った時こういう日本を作
り上げるというメッセージを国民の皆さんに示す必要がある」と述べ、小
沢氏が月内にも予想される正式立候補表明の際、「政権構想」を発表する
との見通しを明らかにした。どのような政権を目指すのか、無投票での3
選が確定した小沢氏の言葉に注目したい。