24日付の中国共産党機関紙・人民日報は、同日閉幕の北京五輪に関し、
開幕の8日から23日までの16日間すべてで市内の大気が基準をクリア
し、うち9日間は「一級」の青空だったと伝えた。月間では過去10年間
で最高水準だった。北京市内では、交通渋滞や大気汚染を解消するため、
ナンバープレート末尾が奇数の車は、奇数の日しか走行できない車両規制
が実施された。この結果、毎日180万〜200万台が走行停止となり、
五輪期間中にバスや地下鉄など公共交通機関は、1日当たり延べ2000
万人近くを運んだという。五輪には204カ国・地域から1万人以上の選
手が参加。登録記者は2万2000人に上った。選手・記者らの世話や、
市内の安全監視などに当たったボランティアは170万人に達した。

 

大気汚染を解消するために、政府が国民生活を犠牲にしてまで達成しよう
とした結果がこの青空だったのであろう。ただ、中国の基準で一級だった
としても、果たして他の国の基準ではどうなのかは気になるところだ。実
際に外国メディアが青空の日数が疑わしいと指摘すると「北京市は大気の
汚染指数が基準を下回った日を「青空」とし、毎年日数が増加している」
などと強調するばかりで、空がどう見えるかでは無く汚染の度合いをも
って判断していると言う理屈を並べている。問題となるのは、青空を実現
するための規制が北京五輪終了後も継続されるのか、と言うことであろう。
開会式にCG映像や口パクを導入したように、とにかく表面だけを取り繕
えば良いとの意識が環境問題にも感じられなくないのだ。継続するなり、
抜本的な改善策が実施されなければ、完全な青空を北京市民が見ることは
とてもでないが適わないだろう。