米大統領選で8年ぶりのホワイトハウス奪還を目指す民主党の党大会が2
5日午後、西部コロラド州デンバーで4日間の日程で開幕した。ミシェル
オバマ夫人が演説し、大統領候補に正式指名されるオバマ上院議員の多
様な生い立ちが指導者として米国民の融和に資すると強調した。本選挙を
勝ち抜くには欠かせない「家族の絆」も訴えた。脳腫瘍で療養していたケ
ネディ上院議員も登場し、オバマ氏の支持拡大に一役買った。党大会初日
は、オバマ氏の経歴や業績を紹介し、オバマ氏個人をクローズアップする
のが目的。ミシェル夫人は夫をたたえるとともに、弁護士で2人の子を持
つ母親となった自らの人生も振り返る。「望みがあれば一生懸命働くなど、
多くの価値観をバラクと私は共有している」「今のバラクは19年前に私
が恋したバラクと何も変わっていない」など、オバマ氏の親しみやすさを
アピールした。

 

共和党のマケイン氏の追撃を許してしまったオバマ氏にとって、まずは民
主党の予備選で生じた深刻な亀裂の修復が必要とされている。クリントン
氏との長期に渡った予備選で、民主党が分裂したかのような事態を招いた。
その間を縫うようにマケイン氏が支持を固めていったわけだが、果たして
オバマ氏が民主党員を糾合した上で本選に臨めるかは民主党大会の結果に
よるだろう。副大統領候補に選ばれたバイデン上院議員は、白人労働者層
に根強い支持があるとされるものの、オバマ氏の弱点とされる白人労働者
層を補うことが出来るかと言えば、そう単純なものではないだろう。黒人
としての初の大統領を目指すオバマ氏にとって、最大の障壁は人種の問題
であるのは間違いなく、米国が乗り越えなければならない障壁でもある。
それ故にマケイン氏が劣勢にあるとされながらも、徐々に支持を集めてい
ると言えるだろう。