6月に中国国内でも発生していたことがわかった中国製冷凍ギョーザ中毒
事件で、中国の捜査当局が従来の方針を転換し、中国国内での毒物混入の
可能性を含めた捜査を進めている。胡錦濤国家主席が捜査の加速と真相究
明を指示したことを受けたものだ。製造元の天洋食品工場内での混入かど
うかが、焦点となっている。日中の外交当局は、捜査当局同士の連携を進
めているが、「食の安全」にかかわる問題だけに、日本側の積極的な情報
公開も求められている。中国公安部は28日、日本に捜査情報を正式に伝
達した際、冷凍ギョーザの生産過程を含めて調査していることを伝え、事
実上、中国国内での混入の可能性を認めた。

 

中国製冷凍餃子の中毒事件で、中国当局はようやく方針転換をしたようだ。
当初から中国国内で混入した線で間違いなかったのであろうが、中国と言
う国の体質からか、一方的に混入した可能性はないと発表してしまい、我
が国の消費者感情を逆なでする結果に終わった。それが実は中国国内でも
同じ冷凍餃子での中毒が起きていたことが明らかになり、ようやくスター
トラインに立てたと言えるだろう。だが、胡錦濤国家主席が捜査の加速と
真相究明を指示していなかったら、どうなっていたことであろうか。知ら
ぬ存ぜぬで我が国に責任を押し付けたまま、うやむやにするつもりではな
かったのか。当初の捜査姿勢からすると、それもあながち間違いではない
はずだ。中国国内での混入の可能性を認めたとは言え、油断せずにきちん
とした結果を出すよう求めていくべきである。