自民党は2日午後、総裁選挙管理委員会を党本部で開き、福田康夫首相の
後任を決める総裁選を10日告示、22日投開票の日程で行うと決めた。
党内では、出馬の意向を事実上表明した麻生太郎幹事長に対し、麻生氏の
経済政策に批判的な中川秀直元幹事長が2日、構造改革路線を支持する中
堅・若手グループから対抗馬を擁立する方針を明言した。「改革派候補」
としては、小池百合子元防衛相の名前が挙がっている。総裁選後に関して、
与党は24日に臨時国会を召集し、同日中に首相指名選挙を行う方向で調
整している。 中川氏は、都内で小池氏や渡辺喜美行政改革担当相らと
会談。会談後、記者団に「改革派から誰か立てないといけない」と、小池
氏らを軸に対抗馬を擁立する方針を明らかにした。小池氏も記者団に「日
本の危機そのものなので皆と危機感を共有したい」と述べ、含みを残した。

 

昨年の総裁選は7派閥の長が一致して福田支持を打ち出し、麻生包囲網を
一気に築き上げて、福田政権を誕生させた。だが、この際も各派閥から麻
生支持を明確に打ち出す麻生応援団が現れ、弱小派閥出身の麻生氏に包囲
網の中で善戦したと言う箔を付けた。今回の総裁選は麻生幹事長が最有力
候補として出馬することになるだろうが、自民党も無投票で総裁を決める
ような愚策はさすがにないはずだ。小泉構造改革路線の継承者を自負する
中川元幹事長が、対抗馬を擁立する可能性が取りざたされている。その対
抗馬は小池元防衛相であるとされているが、中川・小池両氏の所属する清
和会は自主投票とすることとし、分裂は回避された模様だ。第二派閥の平
成研も独自候補と立てるかは微妙であり、山崎派の石原元政調会長がハト
派・若手に担がれて出馬する可能性があるくらいか。麻生総裁誕生が有力
であるものの、一気に解散総選挙にもっていくために、総裁選は激戦を演
出せねばなるまい。