北朝鮮金正日総書記が建国60年の閲兵式に姿を見せなかったことにつ
いて、町村官房長官は10日の記者会見で「初めて欠席されたのは極めて
異例だ」と述べた。政府は金氏の健康に重大な異変があった可能性もある
と見て、情報収集に全力を挙げる一方、対応策の検討に着手した。外務省
幹部は10日、「今回は各国とも血相を変えて情報収集をしている」と述
べ、事態を深刻に受け止めていることを明らかにした。仮に金氏が最高指
導者に復帰できない状態であれば「高いレベルでの意思決定がすべてでき
なくなる。日朝関係はもちろん、核問題への重大な影響が避けられない」
と指摘した。 外務省は首相官邸とも連絡をとりながら対応策を検討。北
朝鮮内部が混乱する可能性も含めて「何があっても驚かない幅広い想定を
している」という。

 

ついに金正日総書記が倒れる時がきたのか。脳卒中で倒れて半身不随と言
った具体的な情報から、ただ重篤であるとの情報まで飛び交っているよう
だが、各国が血相を変えて情報を集める理由も十分に理解出来る。何せ東
アジアの情勢を一変しかねない事態だけに、金正日総書記がどのような状
態にあるかは最大の関心事であろう。金王朝とも言うべき独裁体制の頂点
が、一気に崩れ去ったとあっては、誰が後を引き継ぐのか、果たして後継
者は指名されていたのか、しばらくは注目を集めることになる。これで本
当に金正日総書記が最高指導者に復帰出来ないことが明らかになったら、
北朝鮮の国内は相当な変化が起きるのではないか。我が国で言えば交渉相
手が不在になり、拉致問題の解決が遠のく可能性や、さらに核問題どころ
ではなくなり、北朝鮮が国家としての体をなさなくなる可能性すらあるの
だ。この情報の真偽は不明なものの、重大な事態なのは間違いないだろう。