自民党総裁選に立候補した麻生太郎幹事長、小池百合子・元防衛相、与謝
野馨経済財政相、石原伸晃・元政調会長石破茂・前防衛相の5氏は10
日、党本部で共同記者会見に臨み、重点政策や衆参ねじれ国会への対応な
どに関する見解を明らかにした。麻生氏は、消費税率の引き上げについて、
「今、直ちに上げるのはいかがなものか。景気を著しく冷やす可能性があ
る」と述べた。景気回復を優先する立場から、消費税増税に慎重な考えを
示したものだ。2009年度に基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2
分の1に引き上げるために必要な約2兆3000億円の財源に関しては、
「消費税を上げるまでの間、特別会計の余剰金を使うのもひとつの方法だ」
と述べた。与謝野氏は、基礎年金の国庫負担率引き上げの財源について、
「最初の候補は消費税しかない。消費税が唯一の安定財源だ」と強調した。

 

自民党総裁選の候補者が出揃ったわけだが、22日の投票までそれぞれの
政策や主張を戦わせていくこととなる。ただ、気になるのはメディアは相
変わらず、この候補はバラマキ派だの増税派だのと勝手な色分けをしてい
る。そのような報道姿勢は好ましいとはとうてい思えない。むろん、自民
党員以外に投票の権利が無いのだが、新総裁がそのまま新首相となり、大
方の予想通り早々の解散総選挙となるであろう。そのため新総裁に誤った
イメージを与えかねない報道は控えるべきであろうし、正しい報道に徹す
るべきだろう。消費税の引き上げは、総選挙を間近に控える状況下では明
言出来るものでは無く、そう言った意味では与謝野氏が基礎年金の国庫負
担率引き上げの財源について、消費税を上げるしかないとしたのは、大胆
そのものである。選挙に勝てぬからと言って必要な措置を先送りするわけ
にはいかない、そのような信念からきたものなのではなかろうか。