米FOXテレビは11日、米政府高官の話として、「脳卒中」を起こした
とされる北朝鮮金正日総書記の容体は、回復途上にあるとする韓国政府
の発表よりも悪く、米国と中国は非公式に体制崩壊後の対応を協議してい
ると伝えた。高官は同テレビに対し、金総書記は死に近いわけではないよ
うだが、韓国政府の発表は受け入れられないと発言。現在は北朝鮮が不安
定化する兆候はないものの、金総書記には定まった後継者がいないため、
政権を退く場合、円滑に権力が移行される可能性は高くないという。また、
金総書記が肉体的に障害があるのは明らかで、核検証手続きをめぐる交渉
や日本人拉致問題の再調査が遅れているのも金総書記が了承を与えられる
状況にないからだと指摘した。

 

体制崩壊金正日総書記の死とともに訪れる可能性は十分にある。それだ
けに、金正日総書記の容態がどのようなものなのか、良い悪いにしても今
後どうなるを良く考慮しておくことが必要だ。残念ながら我が国は専門の
情報機関を持たず、他国の発表や提供を待たなければならないのがもどか
しいところだ。核問題や拉致問題と重要な案件が横たわっているにも関わ
らず、北朝鮮の体制に変化が生じれば全て棚上げになる恐れもあり、特に
軍が名実共に実権を握れば、より核頼みに傾斜していくのではないか。そ
のような事態を前にして、我が国がどのような対応を取れるのか、福田首
相の政権放り出しによって、国内がバタバタとしている状況下では、容易
に想像がつくのが残念な限りだ。