共産党志位和夫委員長は14日のフジテレビの番組で、次期衆院選後の
対応について「消費税、憲法の問題で民主党とは考え方が違う。政権へ協
力する条件にはない」と述べ、結果にかかわらず民主党と連立政権を組む
可能性を否定した。一方、志位氏は、臨時国会冒頭で衆院解散との見方が
強まっていることに関し、名古屋市内で記者団に「(新首相は)派遣労働
や物価上昇など重要問題への対処方針を明らかにした上で解散すべきだ」
と述べ、解散前に予算委員会などを開き論戦に応じるよう重ねて要求。そ
の上で、政府が提出する2008年度補正予算案に対する組み替え要求案
を策定する意向を明らかにした。 

 

もっとも政権に遠い位置にいると言えるのが共産党である。自らを確かな
野党と標榜し、他の野党とも一線を画してきており、政策が相容れない民
主党と連立することは有り得ないと切って捨てる。それだけにはっきりと
した立ち位置を維持しているかに見えるが、政党助成金を受け取っていな
いため、実際の台所事情はかなり苦しいものがあるだろう。蟹工船ブーム
によって、共産党の格差問題に対する取り組みなどが評価され、昨年9月
以降の10カ月間で約1万人が新規に入党するなど、追い風はあるものの
次期衆院選では選挙区全てに候補を立てる方針を変更し、大幅な絞り込み
をしたのも資金難のためとされている。それでもなお、確かな野党として
議席を確保し続けるためには、共産党の政策を浸透させていく地道な活動
しかあるまい。安易な連立こそ共産党を滅ぼすだろう。