民主党小沢一郎代表と国民新党綿貫民輔代表は16日、国会内で会談
し、政府が100%保有している日本郵政グループ各社の株式売却凍結の
衆院選マニフェストへの盛り込みなどを柱とする郵政民営化見直しの合意
文書に調印する。郵政民営化に関する合意は、衆院選での両党の選挙協力
の前提として、国民新党が求めていた。小沢氏は15日、松山市内での記
者会見で「徹底的に調整するには、一つになることも選択肢だろう」と述
べ、衆院選前に民主党国民新党の合併も視野に連携を進めることを表明。
「党首会談時に時間があれば、どうするか話していきたい」として、綿貫
氏との会談で合併問題についても協議したい考えを示している。両党は衆
院選に向けて候補者調整を進めているが、青森4区や東京21区、福岡4
区などで競合している。また、両党の一部で比例代表の「統一名簿」構想
が出ている。小沢氏は合併に至らない場合でも、統一名簿を含め協力を強
化したい意向だ。

 

小沢代表がある意味、自民党よりも自民党らしい国民新党と合併をも視野
に入れた選挙協力を考えているとは驚きである。合併に至らない場合でも、
比例代表で統一名簿を組むなど、強化する姿勢を明らかにしている。郵政
解散で自民党を追放された面々が揃っているだけに、かつての自民党の支
持基盤を民主党に寄せることが出来ると小沢代表は睨んでいることだろう。
ただ、それが民主党支持層に受け入れられるかは多少の疑問が残るところ
だ。目の前の選挙に勝つため、と言う考えは民主党の議員は同調出来るか
もしれないが、有権者にとってはただの野合と映る可能性がある。それだ
けのリスクを考えてもメリットがあると判断したとすれば、国民新党との
密接な協力はこの場限りでは無いであろう。個人的には社民党と組むより
はマシと思うが、国民新党の勢力を民主党内に取れ入れるのは、危険な要
素ではなかろうか。旧自民党色が濃くなると言う印象を受けかねない。