麻生太郎氏の自民党総裁選出について、中国外務省は「日本の内政問題」
としてコメントを控えているが、胡錦濤国家主席は21日、「日本政局に
どんな変化があっても戦略的互恵関係を発展させていくべきだ」と指摘、
麻生政権による対中政策の継続に期待を示した。福田康夫首相は中国への
理解で知られたが、日中関係筋は、麻生氏も外相時代に安倍晋三首相の訪
中で日中関係の劇的改善をもたらした、在任中に靖国神社に参拝しないと
示唆したと評価。さらに「衆院選を控え当面外交に力を入れる余裕はない」
とし、政権交代日中関係に直ちに影響を及ぼす可能性は低いと述べた。

 

中国の対日関係者は、麻生氏の「率直な言い方」が日中間で誤解を生む恐
れもあると語ったとされるが、中国としては当面は様子見であろう。選挙
が近く、麻生内閣が誕生しても選挙後も同様とは限らないからだ。野党が
政権交代を実現するのか、それとも与党が過半数を維持して麻生内閣が本
格的に始動するのか、中国にとっては全てはそれからだろう。小泉政権
日中関係は冷え込み、その後を継いだ安倍政権が改善し、福田政権もそ
れを踏襲した。次期政権もわざわざ中国との関係を壊すような真似はしな
いでは無いであろうし、すでに日中関係は経済面においてはお互いに欠か
せない関係だ。ただ、東シナ海のガス田問題は解決したとは言え曖昧な状
態であり、さらに中国製の食品に対する国民の不信感は高まるばかりだ。
日中関係が改善したのは確かだが、横たわる問題全てが解決したわけでは
ないことを忘れてはならない。