指導力」など6項目で麻生首相と小沢代表のどちらが優れているか聞い
たが、全項目で麻生氏が上回り、内閣支持率とは裏腹に、麻生人気の高さ
が示された。「指導力」は、小沢氏が麻生首相に最も迫った項目だが、そ
れでも2人の差は約10ポイント。民主党支持層でも2割が「麻生氏に指
導力あり」と答えている。「演説のうまさ」では首相が小沢氏の3倍以上
の支持を集めた。無党派層の約7割、民主党支持者でも6割超が麻生氏を
選択した。共産党支持層でも半数近くは「麻生氏は演説がうまい」として
おり、小沢氏の演説力は評判が悪い。民主党の政治姿勢に好感が持てると
答えた人が45・2%と、自民党の36・0%を上回るなど、調査では随
所に民主への期待感が出ているが、「小沢首相」という具体的なリーダー
像には結び付いていない。

 

民主党の支持は伸びているにもかかわらず、小沢代表への支持にはつなが
らないと言う皮肉な現状が良くわかる数字である。思えば大連立構想が民
主党内で猛反発に合い破綻した際も、「頭の中で思っていることをうまく
表現できず、どうしても説明不足になりがち」と自らの欠点を話していた。
民主党党代表に就任するに当たって「変わらずに生き残るためには、自ら
変わらなければならない」と宣言してから、すでに2年半が経ってしまっ
ているわけだが、果たして小沢代表は変われたのだろうか。民主党には勝
って欲しい、ただ“小沢首相”は好ましくないと言うのでは、如何なもの
かと言ったところだ。一方の麻生首相は演説力では小沢代表に大差を付け
ているものの、あくまで表面的な数字だけと言うことを忘れてはならない。
内閣支持率も福田政権の発足時より下回るなど、2代に渡る政権放り出し
がかなり影響している。演説が如何に上手かろうと、失った信頼を回復す
るのは相当難しい。口先だけでは衆院選を勝ち抜くのは厳しいだろう。