麻生太郎首相は28日夕、中山成彬国土交通相が一連の問題発言の責任を
取り辞任したことについて「発言は甚だ不適切で、国民各位と関係した方
に心からおわび申し上げたい」と陳謝した。同時に「任命した段階では(
中山氏は)適任だった」とした上で、自らの任命責任について「あった」
と認めた。首相官邸で記者団の質問に答えた。中山氏の辞任を受けて、代
表質問直後に衆院解散に踏み切るべきだとの声が与党内で出ていることに
関し、首相は「(08年度)補正予算案の成立を期す。まずはこれからだ。
そういった声(代表質問後の衆院解散)は政府から出たことはない」と述
べ、成立に意欲を示した。 

 

中山国交相の発言が正しいか正しくないかは置いておくとして、やはり公
人が特定の団体に対して、潰すとまで言っては問題にならないわけがない。
内閣立ち上げ直後からいきなり厳しい状況に追い込まれた麻生首相である
が、何はともあれ補正予算案を通してから出ないと解散はしないと腹をく
くっている。確かにどのタイミングで解散に踏み切ったところで、民主党
優位の風を覆すのは難しい。それだけに、タイミングを見誤れば大惨敗を
喫する可能性すらあるのだ。個人的には中山国交相の確信犯的な発言その
ものは良く考えねばならない問題であると思うが、やはり如何せんわざわ
ざこの時期に言うべきことだったのかと言えば、そうではなかろう。麻生
首相も任命責任を認めた上で、早々に問題の収拾をしたいところであろう
が、中山国交相が批判した勢力がバックにいる民主党が黙っているわけに
はいかないところだろう。