三菱UFJフィナンシャル・グループが傘下の三菱UFJ証券について、
米証券大手モルガン・スタンレーの日本法人との合併を検討していること
が3日、分かった。三菱UFJは米金融危機で経営不安にあるモルガン米
本社と資本業務提携で合意しており、日本国内の証券業務でも関係を強化
する考えだ。三菱UFJとモルガンは日本国内での提携についても検討を
始めており、三菱UFJ証券とモルガン日本法人の合併案も浮上している。
実現すれば、M&Aや債券の引き受けなど、法人向け業務で国内最大級の
証券会社が誕生する。三菱UFJとモルガンは9月、三菱UFJがモルガ
ンの株式21%を90億ドルで取得しモルガンを持ち分法適用会社とする
ことで合意。

 

バブル崩壊後、都市銀行は生き残りを図るために海外拠点を縮小し、内に
籠もった経営に専念せざるを得ず、合併につぐ合併で3大メガバンクにま
で絞り込まれた。そのため世界の金融市場を大混乱に陥れたサブプライム
ローン禍の影響は比較的少なく、海外市場から離れていたことが幸いした。
三菱UFJFGは投資銀行業務など幅広い分野で協力する具体的な提携戦
略を、平成21年6月末をめどにまとめる方針としているが、傾いたとは
言え百戦錬磨のウォール街の証券大手である。体力に余裕のある邦銀から
資金を引っ張り出すことにあるのではないか。邦銀が海外に再進出を目指
すには、金融市場の相当な荒波を乗り越えていく必要があるのだ。