10日の東京株式市場は続落して始まり、取引時間中としては平成15年
6月26日以来、約5年3カ月ぶりに9000円の大台を割り込んだ。下
げ幅は一時、1000円を超え、8110円台に突入した。前日の米国株
式市場が世界的な金融不安と景気後退懸念から、5年5カ月ぶりに900
0ドルの大台を割ったことを受け、幅広い銘柄が売られた。午前9時15
分現在、日経平均株価は前日比414円79銭安の8742円70銭。東
商1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は同41・54ポ
イント安の863・57。

 

下げ幅が1000円を超えると言う大暴落に、もはやなす術は存在しない
と言ったところであろうか。米国の株式市場が底無しの下落を続けており、
世界的な景気後退懸念は我が国だけでなく欧州市場も巻き込み、先が見え
ない状態である。それでも我が国では解散しろとの声が出ているのは、い
ったい何なのだろう。政権交代が実現すると金融不安や景気後退懸念が解
決するわけでもない。外需頼みの我が国にとって、米国が景気後退に入れ
ばそのまま影響を受けることとなる。麻生首相が日本経済は全治3年であ
ると評したが、一度後退した景気を元に戻す苦労は、失われた10年を経
験した我が国には良くわかることであろう。今は少しでも米国発の金融不
安を解消するのが筋である。