米大統領選のペイリン共和党副大統領候補が知事を務めるアラスカ州で最
大発行部数のアンカレジ・デイリーニューズ紙は26日の社説で、民主党
大統領候補オバマ上院議員への支持を表明した。同紙は72歳のマケイン
大統領候補を支える副大統領候補としてペイリン氏は「リスクが大きすぎ
る」と指摘し、ペイリン氏の手腕に疑問を呈した。同紙は深刻な経済危機
に対して「思慮深い分析と冷静さ」「指導力」をオバマ氏に期待できるが、
マケイン氏には期待できないと主張。ペイリン氏については「全米で注目
を集め、アラスカの人々の誇り」としながらも、経済危機、イラクとアフ
ガニスタンでの対テロ戦争などは「ペイリン氏の(知識・経験の)範囲を
超えている」と強調した。

 

ペイリン氏の副大統領候補への指名当初、劣勢にあったマケイン氏の支持
率を押し上げていたが、最近の情勢を見るとペイリン氏の資質が問われる
ようになり、逆にマケイン氏の支持率を押し下げる要因となっている。た
だし、だからと言って今さら副大統領候補の首を挿げ替えるわけにはいか
ず、現時点ではペイリン氏の大抜擢は失敗に終わったと言う評価で落ち着
くだろう。今回のペイリン氏が知事を務めるアラスカ州の地元紙が、オバ
マ氏への支持を表明したことも、ペイリン氏への資質に対する疑問からき
ているのだろうが、もともとこの地元紙が民主党寄りのリベラルであるな
ら旗幟を鮮明にしただけだ。それとも共和党寄りであったのであろうか、
そうであるなら選挙人の数そのものは少ない州とは言え、大きな打撃とな
ることに間違いない。