日本と北朝鮮で合意されていた日本人拉致被害者の「再調査」について、
北朝鮮側が中国政府に「メリットがない」として拒否する考えを伝えてい
たことが30日、わかった。複数の日朝関係筋が明らかにした。北朝鮮
方針は中国政府を通じて日本政府にも伝えられたという。これを受け、日
本政府は北朝鮮に効果的な圧力をかけるため制裁措置を見直すべく動き出
した。また、外務省主導による外交ルート一辺倒だった対北朝鮮交渉の在
り方を変え、新たなルートの開拓を目指す方針だ。

 

「仮に調査委員会を立ち上げたところで、どんな結果になっても日本国民
は納得するはずがない。結局、(北朝鮮にとって)再調査は何のメリット
にもならない」と北朝鮮の高官が述べたらしいが、拉致と言う犯罪行為を
しておきながら、何とふてぶてしいことか。メリットがないなどと良く言
えたものだが、これに対して我が国ができる事は、圧力をかけていくぐら
いしか手がない。何よりも北朝鮮の指導者である金正日総書記の健康不安
説が飛び交うなど、北朝鮮の内情そのものが揺れつつある。そのような状
況の中で、新たな交渉ルートを開拓することが果たして出来るのかは微妙
なところであろう。何より、我が国内も与野党の対決が不可避となり、じ
っくりと腰をすえて北朝鮮と対峙出来ないのは、大いにマイナスだ。