世界的な金融危機など経済情勢の悪化で、大学生の企業への採用内定が取
り消されるケースが相次いでいる。これから就職活動の時期を迎える3年
生も危機感を募らせており、就職支援会社には「つぶれない企業の見分け
方を教えてほしい」などの相談が寄せられているという。複数の大学関係
者によると、採用状況が厳しくなり始めたのは米証券大手リーマン・ブラ
ザーズが破綻した9月ごろから。企業の秋採用は例年より縮小傾向で、不
動産会社や建設会社などからの内定取り消しが目立つ。 

 

一時期は売り手市場とさえ言われた状況が一変し、再び企業は採用人数を
引き締めにかかっている。ここ何年かで大量採用をした企業にとって、こ
の世代がかつてのバブル世代と重なるのではなかろうか。つぶれない企業
の見分け方は誰もが知りたいことだろうが、今は好調であっても10年後
はどうなっているかは誰も分からない。絶対につぶれない企業は存在せず、
強いて言えば公務員にでもなるのが正解だろう。むろん、公務員に対する
風当たりは強くなることはあれ、弱くなることはあるまい。景気動向によ
って学生の運命は、こうも簡単に左右される証左である。