英紙タイムズの電子版は7日、北朝鮮金正日総書記が朝鮮人民軍の部隊
と撮影したとされる記念写真で、金総書記の影の伸び方が不自然として偽
造された疑いがあると報じた。金総書記の健在ぶりを伝える北朝鮮からの
動静報道とは異なり、「写真偽造」は金総書記の健康状態はよくないとの
思いを抱かせている。北朝鮮朝鮮中央通信は4日付で、金総書記が朝鮮
人民軍の2部隊を視察したと、部隊の軍人と記念撮影したとされる写真を
交えて伝えた。ただ、視察の日時には触れていなかった。

 

健康不安説が流れる金正日総書記だが、健在ぶりを示すかのように写真が
次々と公開はされるものの、それがかえって不審の種を蒔いている気がし
てならない。今回公開された写真も、中央の金総書記の影の伸び方が周り
の軍人と異なる、足元の壁に水平に走る黒い線が金総書記の部分だけ途切
れている、と言った不自然な点が見付かり、金総書記の写真が後ではめ込
まれた疑いが浮上している。瀬戸際外交が功を奏して、米国はテロ支援国
家の指定を解除し、対北朝鮮強硬派のマケイン氏はオバマ氏に破れ去った。
北朝鮮を取り巻く情勢は大きな変化を遂げていると言うのに、金正日総書
記の姿が写真だけでしか報道されないことは、大きな疑念を招く。人前に
姿を見せられない状態にあるのか、各国が注視していることだろう。