約8万7000人の死者・行方不明者を出した中国の四川大地震から12
日で半年。復興は軌道に乗っているようにみえるが、「おから工事」が原
因で相次いだ学校校舎などの倒壊はいまなお、社会不安につながりかねな
い敏感な問題として残る。被災者の不安などは、当局によって“封殺”さ
れているのが現状のようだ。政府は大地震に伴う経済的損失を8451億
元、復興に必要な資金総額を1兆元と見積もっている。3−5年後をめど
に450万世帯の住宅を建設するなどとメディアを通じ復興への夢も盛ん
に語られている。しかし一方で、建設方法や建築資材に問題があったとし
て、北京へ「直訴」しようとする犠牲者の家族たちも少なくない。

 

四川大地震から早くも半年が経った。北京五輪を前にした中国を襲った未
曾有の天災は、死者・行方不明者だけでも8万7000人と言う凄まじい
被害をもたらした。だが、子供たちが通う学校の校舎が脆くも倒壊したの
に対して、政府関係の建物は倒壊どころかビクともせず、健在であった。
これは粗悪なセメントを使った強度不足の工事「おから工事」が原因であ
るとの見方が強まり、人災であったと犠牲者の家族と受け止めたのも無理
はなかろう。一方で犠牲者の家族に8万5000元を支給し「解決済み」
の立場を取る当局は、北京への直訴を食い止めようとしている。厳しい寒
さが到来する冬を前にして、被災者の不安は募るばかりであろう。一刻も
早い復興が待ち望まれる。