9月下旬に就任した麻生太郎首相と民主党小沢一郎代表との党首討論
開催されない状態が続いている。民主党が応じないためだ。このまま30
日に国会閉幕となれば、同党が批判を受けるのは確実で、小沢氏の姿勢が
問われようとしている。14日の自民、民主両党の国対委員長会談。民主
党の山岡賢次氏は、衆院予算委員会での年金、経済などに関する集中審議
の日程が確定し、会期延長の有無などがはっきりすれば、党首討論の開催
を検討すると説明したが、自民党大島理森氏は、集中審議と党首討論
日程を同時に決めるよう主張。一方で、山岡氏は、党首討論に替え、首相
と野党各党との公開での党首会談を逆提案したが、大島氏は「意図が分か
らない」と取り合わず、協議に進展はなかった。

 

与党を追い込むために攻勢を強めるはずの小沢代表であるが、何故か党首
討論だけは頑なに避けているように見受けられる。党首討論は、小沢氏が
代表に就任した2006年4月以降の国会では、07年の参院選を受けた
会期4日間の臨時国会を除けば、少なくとも1回は行われており、党内か
ら「公開の会談なら、討論でもいいじゃないか」と執行部の対応に不満の
声が漏れ始めている。何か理由があって党首討論を避けるのであろうか。
もともと党首討論の導入を積極的に推進していたのは、当時国会改革を訴
えていた小沢氏であり、2002年11月の夕刊フジのコラムに「党首討
論は官僚支配が根強い国会を国民から選挙で選ばれた国会議員に取り戻す
ための改革策だ」などと記していた。その小沢氏が最大野党の代表として、
麻生首相との討論に応じないとは、党首討論は不要であると考えるに至っ
たのか、はたまた自分が代表として討論するのが嫌なだけなのか、今もっ
て不明なままである。