未婚の日本人男性と外国人女性の間に生まれた子について、父親が認知す
れば国籍を取得できるようにする国籍法改正案が18日、衆院本会議で可
決された。直ちに参院に送付、今国会で成立する見通し。本会議では自民
党の赤池誠章西川京子牧原秀樹の3氏が反対の意思を明確にして採決
前に退席。ほかにも採決に加わらなかった自民党議員が数人いた。西川氏
は記者団に「多くの議員が知らない間に党内手続きを終えていた。退席は
こうしたやり方に対する抗議の意味もある」と述べた。最高裁が6月、結
婚を条件とする現行法を違憲と判断したことを受けた改正。うその認知で
国籍を取得する偽装認知が広がる恐れがあるため、虚偽の届け出をした者
に1年以下の懲役か20万円以下の罰金を科す規定を新設した。

 

そもそも国籍法を何故改正する必要が出てきたかと言えば、これまで未婚
の日本人男性と外国人女性の間に生まれた子供(婚外子、20歳未満)が
出生前に認知されなかった場合、国籍取得には「出生後の認知」と「父母
の婚姻」を要件としている。ところが今年6月、この婚姻要件が最高裁
決で違憲とされ、急きょこれに対応するため改正案が浮上してきた。政府
筋は「最高裁に現状は違憲だといわれたから改正案を出した。それでどう
なるかは、法律が施行されないと分からない。犯罪者はいろんな方法を考
えるから…」とまるで他人事のように語っている時点で、この改正案が場
当たり的に提出されたことの証明であろう。いつ解散総選挙があるかわか
らない中、多くの議員が選挙の準備に入っていた時期に、改正案は党内手
続きが完了しており、人目に触れられては困るような内容であったのかと
見たくもなる。ネットの世界では今回の改正案は改悪であるとして、署名
運動、抗議運動も活発に行われている。法の抜け穴を探す悪人は必ずいる
ものだ、今このタイミングで無理に法案を押し通す必要は無い、再考の余
地は十分にあるはずだ。後からこんなはずでは無かった、と言うのではあ
まりに芸が無さ過ぎると言うものだ。