麻生首相は21日午後、リマ市内のホテルで同行記者団と懇談し、200
8年度第2次補正予算案を今臨時国会には提出しない意向を示し、その理
由として、審議に協力するとした民主党の小沢代表への不信感を挙げた。
第2次補正予算案は来年1月召集の通常国会に提出される見通しだ。首相
は「小沢氏は(今国会での第2次補正予算案の審議に協力するという約束
を守らなければ)『辞める』と、合計7人の前で言ったのに、後で『言っ
ていない』と言っている。この人の話は、危ない。あまり信用できなくな
った」と述べた。17日の首相と小沢氏の会談でのやりとりを巡り、小沢
氏への強い不信感を示したものだ。

 

小沢代表の要求を容れる形で開かれた会談には、麻生首相と小沢代表のほ
か、自民党から河村官房長官細田幹事長、民主党鳩山幹事長、山岡賢
国会対策委員長奥村展三役員室長が出席していたわけだが、ここでの
会談の内容は密室であるが故に、このような言った言わないの水掛け論に
なるのは、明らかであった。どちらの言が正しいとか正しくないに終始し
てしまっては、何のための党首会談であったか、全く意味を成さないであ
ろう。もともと小沢代表の戦略としては早期解散に持ち込み、一気に麻生
政権を覆滅することにあったはずだ。ジリジリと解散が持ち越され、今の
観測では来春と言うところまでになった。解散を急ぐのは自身の健康不安
と関連しているのであろうか。むろん長期戦を想定していなかったわけで
はなかろうが、今後の民主党の出方に注目したい。