麻生太郎首相は22日午前、ブッシュ大統領とリマ市内のホテルで首脳会
談を行った。ブッシュ大統領北朝鮮による拉致問題について「デリケー
トな問題だ。オバマ次期大統領にきちんと引き継ぎたい」と述べ、引き続
拉致問題の解決に向け緊密連携していく重要性を強調し、麻生首相も同
意した。この後、韓国の李明博大統領が加わり会談。北朝鮮の核問題をめ
ぐる6カ国協議に関し、議長国を務める中国の意向を踏まえ、12月上旬
の再開を目指して調整することで一致した。

 

デリケートな問題だけに、逆にきちんと引き継いでもらえるのかが心配な
ところである。オバマ氏が大統領選を勝ち抜けたのは、金融危機の影響で
ガタガタになった国内を立て直して欲しい、オバマ氏ならやってくれるに
違いないと言う期待感からであろう。オバマ氏を支持した米国民としては
他国に構っている場合では無く、まずは自国から何とかしてくれと言うの
が本音ではなかろうか。そんな中で拉致問題を引き継いだところで、その
優先度は如何ほどのものがあると言うのか。テロ支援指定国家の解除が成
された北朝鮮は、金正日総書記の健康不安を抱えるものの、少なくとも拉
致問題に真摯に取り組むとは思えない。政権末期の空手形を乱発されては
我が国も迷惑なだけだ。