韓国紙、東亜日報は24日、金正日総書記の健康悪化説が伝えられる北朝
鮮で、幹部職員らが所有する日本製自動車を11月20日から没収し始め
たほか、2009年から各地の「市場」を閉鎖すると布告するなど、住民
統制を大幅に強化していると報じた。専門家の間では、総書記に代わって
権力をふるう義弟、張成沢労働党行政部長が、自己の権威を高める目的
から、統制を強化しているとの見方が浮上している。同紙によると、没収
の対象は乗用車や小型バス。北朝鮮で使われる自動車の80%は日本製だ
が、幹部職員からも容赦なく取り上げているという。

 

北朝鮮の内部事情はもともと不明なものが多いとは言え、指導者である金
正日総書記の健康悪化説が浮上してからと言うものの、より情報が錯綜し
ている感がある。特に金正日総書記の後継者が誰になるのか、これまでの
瀬戸際外交を続けていくのか、世界が金融危機に混乱する中で沈黙を守り
続ける北朝鮮の存在は不気味である。今回、東亜日報によって報じられた
幹部職員の日本車を没収は意図が掴めないだけに、いったい何が起きてい
るかと過剰反応してしまう。権力の象徴とも言うべき日本車を取り上げれ
ば、当然幹部からも反発は起きるはずだが、その反発を抑えるだけの力を
持った指導者がいると言うことであろうか。大いに疑問である。