6カ国協議の日本首席代表を務める斎木昭隆外務省アジア大洋州局長は7
日午後、北京入りした。斎木氏は同日夜、宿泊先のホテルで記者団に対し
「日朝をやらないかと申し入れている」と述べ、北朝鮮側に2国間協議の
開催を打診したことを明らかにするとともに、「向こうが会う気がなけれ
ば成立しない」と述べた。日朝協議が実現すれば、約束している拉致問題
の再調査を早急に始めるよう求める考えだ。また、斎木氏は、北朝鮮外務
省スポークスマンが6日に6カ国協議で「日本を相手にしない」などと表
明したことについて、「一つ一つコメントするのもいかがと思う」と述べ、
冷静に対処する姿勢を見せた。 

 

北朝鮮の出方が今もって見えないまま、我が国は2国間協議を提案すると
言うカードを切った。これまで無条件に莫大な援助を北朝鮮に行ってきた
韓国が政権交代の結果、一気に蛇口を締めてしまい、さらには世界的な金
融危機の前に経済が破綻寸前にまで追い込まれている。そうなると北朝鮮
が援助を引っ張り出す相手として、我が国が選択肢になるのは言うまでも
ないことだろう。そのためには拉致問題の全面解決が前提条件となり、何
処まで北朝鮮の譲歩を引き出せるか、また「日本を相手にしない」とのコ
メントの真意を掴めるか、6カ国協議に参加している以上は何らかの成果
を出さないことには、意味があるまい。米国は当てに出来ないことは北朝
鮮のテロ支援国家指定の解除からも明らかだ。参加しているのかしていな
いのかすら分からない状態だけは、すぐに脱却すべきである。