次期衆院選比例代表公明党との協力関係を見直す考えを示した古賀誠
民党選対委員長の発言をめぐり16日、与党に波紋が広がった。選挙協力
に前向きな自民党議員は「公明票がないと選挙は厳しい」と困惑顔。表向
きは静観の構えの公明党内にも、自民党への不信感がくすぶる。「比例で
他党を(有権者に)お願いするのは適当ではない。自民党の力を弱らせる」。
16日の党役員連絡会。古賀氏は前夜に続いて「比例は公明」と訴える形
選挙協力見直しを強調した。発言の背景には、自民党支持層の離反に対
する危機感がある。昨夏の参院選共同通信社が実施した出口調査による
と、自民党支持層のうち比例代表自民党に投票したのは62%にとどま
り、24%が民主党に流出した。この傾向は現在も続いている。

 

最強の集票マシンである創価学会を支持母体とする公明党自民党は、選
挙において強固な協力体制を築いてきた。だが、その関係に綻びが見え始
めたのが昨年の参院選での与党大敗である。公明党は重点地区とする選挙
区以外には候補を立てず、比例で集めた票で当選することに徹してきた。
3年前に行われた参院選で獲得した比例票は832万票にも上るが、昨年
参院選では776万5000票に激減した。公明党は長年の目標として
比例票を1000万に乗せることを掲げてきたが、ここにきて1000万
どころでは無くなってきたのが現状だ。各選挙区の学会票を回す代わりに、
自民党支持者には比例で公明党に票を入れてもらう、そう言ったバーター
が成り立たなくなったのも、自民党自体の支持者が離れ始め、公明党に票
を回している場合ではなくなったからだろう。自民党の支持者離れは、昨
年よりさらに強まっているのは間違い無く、公明党を切るポーズを取るこ
とで、少しでもその流れを食い止めようとする賭けとも言えよう。