中国外務省の劉建超報道局長は18日の記者会見で、ソマリア沖の海賊対
策として中国が艦艇派遣を検討していることについて「積極的に準備や手
配を進めており、準備が整ったら正式に発表する」と述べ、近く派遣する
ことを事実上認めた。同日付の中国紙・環球時報は、中国海洋部門の消息
筋の話として、駆逐艦2隻と補給艦1隻がクリスマス後に海南島から出航
すると伝えた。

 

海賊の楽園と化したソマリア沖であるが、本来であれば取り締まるべきソ
マリア政府は崩壊状態であり、海賊は好き放題に振る舞い続けている17
日にも中国船籍の貨物船「振華4」が、ソマリア沖合いのアデン湾を航行
中に海賊に襲われる事件が起きており、中国が駆逐艦を派遣する大義名分
は十分にある。むしろ我が国も中東からのタンカーの通り道である以上は
護衛艦なりを派遣しても良いくらいだ。日本郵船の15万トンタンカー「
高山」がイエメン沖で海賊に襲撃された際には、ドイツ駆逐艦に救助され
ている。自国の生命線を他国に委ねたままと言うのも、安全保障上は好ま
しくは無い。ましてや中国の艦艇とあっては、ではないか。