トヨタ自動車が平成21年3月期の年間配当を前期実績から減配する方向
で調整していることが20日、分かった。急激な円高や世界的な販売不振
による業績悪化を受けた。減配に踏み切れば東京証券取引所などに上場し
た昭和24年以来初めてとなる。トヨタは11月、通期の連結営業利益を
1兆円減らした「トヨタショック」で業績を大幅に下方修正。その後も1
ドル=90円を割り込む急激な円高や世界的な新車販売の落ち込みで、週
明けに業績を再度下方修正する見通し。トヨタ単体の決算は通期で営業赤
字に転落する公算が大きい。

 

トヨタ自動車は16年3月期からの4年間で年間配当を3倍以上にするな
ど手厚い株主還元を打ち出してきたものの、急速な業績悪化のために配当
の原資を確保することが難しくなり、減配も止む無しとの判断に至ったよ
うだ。我が国最強の製造業である自動車メーカーが落ち込むと、それを取
り囲む部品メーカーも落ち込み、さらには下請けの会社にも波及すること
となる。それだけに、営業赤字に転落した際の影響は大きなものとなるだ
ろう。自動車を作っても容易に売れない以上、減産に舵を切らざるを得ず
市場は一気に縮小していくのは避けようが無い。これはトヨタだけに限ら
ずに言えることであり、他のメーカーも業界トップに追従することとなる
だろう。自動車業界の冬は長そうだ。