朝日新聞社の赤字決算が新聞業界に波紋を広げるなか、その流れが他の新
聞社にも波及してきた。毎日新聞社産経新聞社が相次いで半期の連結決
算を発表したが、両社とも売り上げが大幅に落ち込み、営業赤字に転落し
ていることが分かった。両社とも背景には広告の大幅な落ち込みがある。
景気後退の影響で、さらに「右肩下がり」になるものとみられ、いよいよ
「新聞危機」が表面化してきた形だ。

 

朝日新聞社が赤字決算に転落したのも記憶に新しい中、全国紙でも弱小と
される毎日新聞社産経新聞社の苦境が伝わってきた。部数減も影響して
いるのだろうが、広告収入が底無しに落ちているのが最大の原因だろう。
朝日新聞や読売新聞のような大部数を誇るところでも、やはり販売と広告
と言う二本柱があって初めて利益が出せる構図なのだ。だが、部数が少な
いことを逆手にとってデジタルの分野に積極的に乗り出しているのが産経
新聞社である。iPhone、iPodTouch向けに紙面を丸ごと配
信するサービスを開始するなど、実に思い切った決断をしている。むろん、
それが成功するかしないかは微妙なところではあるが、紙媒体の限界が見
えつつある中で、新たな収益の柱を模索中と言ったところであろうか。