政府は27日、次期主力戦闘機選定で米国製最新鋭ステルス戦闘機「F2
ラプター」を最有力機とする対応を見直し、再検討する方針を固めた。
オバマ次期政権でF22の生産が抑制・中止されるとの見通しが強まった
ためだ。今後は英独などが開発した「ユーロファイター・タイフーン」、
米英などが開発の「F35」、米国製「F15FX」の3機種から絞り込
む考えだ。F22に関しては、最先端技術などの情報漏えいを懸念する米
議会が禁輸措置を設けているが、防衛省は09年度予算で始める予定だっ
たFXの導入時期を先送りし米政府に禁輸解除を要請してきた経緯がある。

 

我が国の次期主力戦闘機選定は、米国発の金融危機の影響で先行きが不透
明になりつつある。現時点で世界最強とされるF22の導入を目指してい
たものの、情報漏えいの相次いだ自衛隊への牽制のためか、米議会はF2
2の禁輸措置を設けた。他の候補であるF35にしても、まだ米国ですら
配備されていない戦闘機であり、我が国への配備はその後になることだろ
う。欧州共同開発のユーロファイターは値段・性能共に次期主力戦闘機に
値するものであるようだが、欧州製と言うこともあって米国への「配慮」
が求められる。現実的な対応としてF15の改良機であるF15FXをつ
なぎとして導入し、一定期間後にF22なりF35を導入していく、そん
なシナリオを政府は描いているのではなかろうか。