第171通常国会が5日召集され、衆院解散・総選挙をにらんだ与野党
決が開幕した。麻生太郎首相は未曾有の景気後退と雇用情勢悪化に対応す
るため2008年度第2次補正予算案と09年度予算案を早期成立させ、
政策を通じ政権への信頼を取り戻したい考え。民主党はじめ野党は、国民
の信任を得ていない麻生内閣では難局を乗り切れないとして野党が多数を
占める参院を中心に徹底抗戦を挑み、早期解散に追い込む方針だ。会期は
6月3日までの150日間で、政府、与党が今月中旬に予定する2次補正
と関連法案の衆院採決が最初のヤマ場となる。民主党は総額2兆円の定額
給付金について「税金の無駄遣い」として削除を求める修正案を提出、自
民党内の造反を誘う構えだ。

 

麻生政権にとって最大の正念場が始まろうとしている。特に総額2兆円に
ものぼる定額給付金をめぐっては与野党で激しい衝突となるであろうし、
一部でくすぶり始めた自民党内の反麻生勢力の動きも注視せねばなるまい。
一昨年の参院選の結果、野党が多数を占める参院と与党が3分の2以上の
議席を占める衆院と言う、いわゆるねじれ状態が続いて1年半近くとなる。
仮に次の衆院選で与党が過半数を維持出来たとしても、その状態は変わる
ことは無い。衆院選後に起きるであろうとされる政界再編も、その規模が
小さければ意味を成さない。民意を得ていない麻生政権、野党はそう攻撃
するが果たして民意とは何か。メディアの発表する世論調査や支持率が全
てにおいて正確かと言えばそうでもなかろう。また、民意が必ず正しいわ
けでもない。民意に安易に迎合することが政治と言うのなら、それは間違
っていると言わざるを得ないのだ。