与党は7日、アフリカ・ソマリア沖での海賊対策を巡るプロジェクトチー
ムの初会合を9日に開く方針を決めた。政府は新法制定までの「つなぎ」
として、年度内にも現行法で海上自衛隊護衛艦を派遣する方向だ。公明
党も派遣を容認する姿勢に傾きつつあるが、海賊の逮捕権限や武器使用基
準をどうするかなど詰めるべき課題は多い。与党PTは座長に自民党の中
谷元・元防衛庁長官、副座長に公明党佐藤茂樹氏を充てる。麻生太郎
相は7日夜、与党PTの発足について記者団に「日本として何ができるの
かを検討するのは国民の財産を守ることを考えたら至極大事」と評価した。

 

護衛艦ソマリア沖に派遣するのは賛成したいが、いざ派遣しても法に縛
られて何も出来ないとあっては、何のための派遣かと国際社会から非難を
浴びることであろう。そのためには派遣ありき、ではなくきちんとした議
論をしてから送り出すべきだ。それには軍事についてアレルギーを持って
いる公明党を説得し、与党間できちんとした合意を見出す必要がある。現
時点ではつなぎの派遣として送り出し、その間に課題を詰めて新法を提出
して、もともと護衛艦の派遣に積極的だった民主党を巻き込めば、より良
い結果となるのではないか。無法地帯と化したソマリア沖を安全な海とす
るには、与野党が知恵を出し合うことが国益にかなうのではなかろうか。