衆院栃木3区選出の自民党渡辺喜美元行革担当相は13日、党本部に離
党届を提出し、受理された。渡辺派の県議らは引き続き支援することを表
明しているが、党幹部は同日、3区での対抗馬擁立を明言した。県議の1
人は「実際に誰が候補者に出るかによっても対応は分かれる」と語ってお
り、一致結束した支援ができるかは、今後の状況で変わりそうだ。

 

ついに離党した渡辺氏だが、果たしてその前途は明るいものなのだろうか。
父である渡辺美智雄氏の地盤を受け継ぎ、磐石な体制が離党後も機能する
のかはわからない。民主党は栃木3区に候補を立てないようだが、自民党
は当然のように刺客の擁立を決めた。渡辺氏は「全国各地の志の高い、こ
の国を変えるべきという人々と国民運動を起こす。官僚主導から政治主導
へ、中央主権から地域主権へということを先取りした危機突破の『国民会
議』を立ち上げたい」とするものの、果たしてその国民会議にどれだけの
メンバーを揃えられるか。特に次期衆院選は来春以降とされる中で、今の
ような注目を集められるか。自民・民主の全面対決の前に埋没してしまう
ようなら、離党は勇み足だったと後悔するのではなかろうか。