戦艦大和が建造された広島県呉市で22日、地元商工会議所などが中心と
なり「戦艦大和引き揚げ準備委員会」の初会合が開催された。数年以内の
引き揚げを目指したいとしている。会合には、委員長を務める奥原征一郎
呉商工会議所会頭ら5人が顔をそろえた。正式な実行委員会は、大和沈没
の日に合わせて4月7日に組織する予定。奥原会頭は「実行委メンバーは
全国的にも著名な方にお願いしたい」と話している。課題は資金の確保で、
準備委は可能なら船体全体の引き揚げを目指すとしているが、その場合、
数百億円が必要。現実的な数字として数十億円を想定し、個人を中心に全
国から募金を集める考えだ。

 

彼らは何のために海底に沈んだ大和を引き揚げようと言うのだろうか。商
工会議所が中心とあっては、観光資源にしたいとの思惑が見えてしまうが、
果たして遺族の理解は得られるのだろうか。大和は米軍機の攻撃を受け、
横転した際に弾薬庫が大爆発、船体は真っ二つに折れ海に沈んでいる。そ
の無残な姿を全てではないにしても引き揚げて、何らの意味があるのか。
口では平和を唱えていても、結局は客寄せに使うだけでは、図らずも一億
総特攻の先駆けとなった大和の乗組員が浮かばれはしない。また、大和が
沈んだ海域には第二艦隊の僚艦もまた沈んでいるのである、それらを無視
していることも問題であろう。この計画には断固として反対する。