共産党は20日、機関誌『しんぶん赤旗』の部数が昨年、対前年比で21
年ぶりに増加に転じたことを明らかにした。5月から12月まで8カ月連
続、前月比で増えるという36年ぶりの“快挙”も。折からの『蟹工船
ブームが部数増を後押しした事情もあるようだ。同党によると、「赤旗
の発行部数のピークは昭和55年の第15回党大会で報告された355万
部。62年の第18回大会以降は減少の一途をたどり、平成18年の24
回党大会時には164万部まで落ち込んだ。その後も減少に歯止めがかか
らなかった。ただ、昨年の具体的な部数については、共産党は次期衆院選
後に予定されている25回党大会までは公表しないという。

 

具体的な部数の公表を避けているのは、それほどインパクトのある数字で
は無かったからであろうが、政党の機関紙がこの不況の中で部数を伸ばし
たことは評価して良いことだろう。部数増の要因について共産党は「景気
・経済が悪化する中、雇用や暮らしの状況をしっかりとらえたいと思って
いる国民が増えているのに加え、状況改善に取り組む党の積極姿勢が評価
されているのではないか」と分析しているらしいが、共産党は衆参両院で
弱小勢力でしかないのも事実である。次期衆院選では候補者の絞込みにも
着手し、供託金没収を抑えようとしており、事実上の戦線縮小となった。
そんな中で機関紙の部数や党員数が伸びようとも、実際に党勢を拡大出来
るかは極めて難しいと言わざるを得ない。