昨年中のソマリア沖の海賊事件は100件を超え、23人の乗組員が乗っ
日本郵船の大型原油タンカー「高山」が小型不審船から発砲を受け被弾
した事件も含め日本関係船舶関連では3件の海賊事件があった。ところが、
民主党平田健二参院幹事長は20日の記者会見でこんな驚くべき発言を
してみせた。「海賊というのは漫画で見たことはあるが、イメージがわか
ない。ソマリア沖で、日本の船舶が海賊から襲撃を受けて被害を受けたと
いうことがあったのか」同党の安全保障政策の不安な一面を、浮き彫りに
しているといえそうだ。

 

ソマリア沖への護衛艦派遣はもともとは民主党が提案してきたことであっ
たはずだが、このような発言をする議員がいるようでは、安全保障に関し
民主党は失格であるとしか言えないだろう。次期衆院選後、民主党が政
権交代を実現した際には社民党国民新党と連立をする予定、正確に言え
ばせざるを得ない以上、この弱小政党の言い分も多少は聞かねばならない。
特に社民党は安全保障の分野では民主党と相容れるわけも無く、ソマリア
沖に護衛艦を派遣するなどと言おうものなら、相当な反発をするのは間違
いないところだ。だが、今回の平田参院幹事長の海賊は漫画で見たことが
あるとの発言は、政治家としての見識を疑うものである。これも産経新聞
が報じたきりで、他紙はスルーしているが、安全保障の面で全く無知の議
員が参院幹事長とは、民主党に不信感を憶えるだけだ。