2月6日で就任1年を迎える大阪府橋下徹知事への支持などについて、
読売新聞社は府内の有権者を対象に電話による世論調査を実施した。橋下
知事を「支持する」とした回答は82・3%で、「支持しない」の9・5
%を大きく上回った。「無党派知事ブーム」を起こした横山ノック元知事
の就任1年時点の支持率(64・4%)を大きく上回り、「橋下人気」の
高さを示した。調査は23〜25日、無作為に作成した番号に電話をかけ、
1627世帯のうち1008人から回答を得た。政党支持別にみると、全
体の4割強を占める無党派層で79%となり、府議会で知事与党の自民支
持層は92%、公明支持層も9割近い。野党も民主支持層が83%で、共
産支持層も5割が支持した。

 

支持理由で最も高かったのは「指導力がある」(59%)であったように、
圧倒的な支持率を背景にした強気の姿勢が評価されているのであろう。民
主党の支持層からも支持を集め、就任1年目の結果としては万々歳のはず
だ。危機に瀕した大阪の財政事情を救う、そんな存在としての期待値と見
て良いだろうが、給与カットの対象となった職員達はどう思っていること
であろうか。橋下知事は行政の組織強化策として、部長職など府の要職に
民間から20〜30人程度の採用を目指すなど民間から積極登用する方針
を明らかにしており、さらに府庁舎を「大阪ワールドトレードセンタービ
ルディング」への移転を目指すなど、次々に策を打ち出している。橋下知
事のこれまでの方針を見ていると、ぶち上げて良い意味で現実的な妥協を
する、それに尽きるのではないか。相手方の意向を酌んだように見せて、
名より実を取る戦略なら成果の積み重ねも可能であろう。