民主党岩國哲人衆院議員は28日、党本部で記者会見し、次期衆院選
出馬しない意向を明らかにした。岩國氏は「次期衆院選で当選しても、そ
の次の選挙に立候補する可能性は低い。政権交代に期待していただける、
しっかりした候補者に代わってもらいたい」と述べ、世代交代を不出馬の
理由に挙げた。2005年の前回衆院選で岩國氏は神奈川8区から出馬し
たが落選し、比例代表で復活当選した。小沢一郎代表は昨年11月、岩國
氏が次期衆院選で同1区に「国替え」して立候補すると発表していた。民
主党は別の候補者擁立を模索する。

 

民主、国民新両党の議員連盟朝鮮半島問題研究会」で「日本国民は拉致
問題に拉致され、自縄自縛に陥っている」との発言をし、物議を醸したが
72歳と言う年齢を考えれば、今回の岩國氏の不出馬の判断は間違いでは
なかろう。麻生首相の側近、松本純官房副長官の地盤である神奈川1区に
国民新党も候補者擁立を決めており、国替えさせた民主党としても難し
い対応を迫られていた。だが、気になるのは岩國氏の元私設秘書が「公設
秘書の給与の一部を他のスタッフの給与に流用したり、公設秘書に寄付を
させたりしていた」と語り、これが引退の直接の原因なのではとの疑念が
あることだ。国替えを了承したにも関わらず、一転して「後進に道を譲る
ためだ」と引退するのは、何か後ろめたいことがあるのではと思ってしま
うのが当然ではなかろうか。