シャープが平成21年3月期の連結業績予想について、昨年10月時点で
600億円とみていた最終損益が赤字に転落する見通しになったことが3
1日、わかった。保有株の評価損が膨らんだほか、世界的な景気悪化の直
撃を受け、液晶テレビの業績が急速に悪化、円高にも足を引っ張られた。
大手電機各社では、日立製作所が21年3月期連結決算予想を下方修正、
最終損益が7000億円の赤字になる見通しを発表。パナソニックも大幅
な赤字になる見通しなど、業績が軒並み悪化。比較的堅調に推移していた
シャープの最終赤字転落は一段と厳しくなる経済情勢を反映したものだ。

 

世界的な景気後退の影響をモロに受ける形で、我が国の電機メーカーもか
なりの打撃を受けている。これまではブランドイメージや高性能を売りに
稼げてきたが、液晶テレビのようにこれまで保ってきた技術的な優位が崩
れ、日本製にこだわらない消費者が増えてくれば、当然のように業績は悪
化することになる。それに景気後退が追い討ちをかければ、シャープとて
厳しい業績となることは避けられない。だが問題なのは、この状況をどう
脱却していくかではないか。景気後退が数年続くとすれば、ことはそう簡
単ではなかろう。政権交代が最大の景気対策などと言う野党には、本当に
理解出来ていることなのだろうか、大いに疑問である。