電機大手の富士通グループは3日、稼働率が低下している国内工場の約5
000人の正社員を対象にして、副業を容認したことを明らかにした。こ
れまでは就業規則でアルバイトなどを禁じてきたが、金融危機で今年1月
から国内工場で労働時間を減らして雇用を維持する「ワークシェアリング
を導入しており、これに伴う賃金の減少分を補填するため、例外措置とし
て副業を認めた。大手企業が社員の副業を認めるのは珍しい。世界同時不
況が深刻化する中でこうした動きは今後、産業界全体に広がりそうだ。

 

労働組合は賃金減につながるワークシェアリングの導入には消極的とされ
るが、今回の富士通グループの副業容認についてはどう考えていることだ
ろうか。労働時間が減ったとは言え、実質的にどれだけアルバイトの時間
が確保出来るのか、またアルバイトと一口に言ってもそれなりの拘束時間
が求められるだろう。片手間で来られては雇う側も困るであろうし、その
辺は個人個人で判断しろとのことでは、容認と言うよりは放任でしかない。
工場の稼働率を上げるには、景気回復を待たねばならないとすれば、工場
で働く正社員のモチベーション維持は大変なはずだ。この容認がどれだけ
インパクトをもたらすか、大変興味深い。