麻生太郎首相は7日、東京都千代田区九段会館で開かれた「北方領土
還要求全国大会」であいさつし、「ロシアはアジア・太平洋地域の平和と
安定のために重要な隣国だが、最大の懸案である北方領土問題を解決する
必要がある。領土問題の最終解決に向けて、進展が得られるように引き続
き、強い意志を持って交渉を続けていく」と述べた。首相は、ロシア側の
要請で18日にサハリンで予定されている日露共同事業の液化天然ガス
設の稼働式典に出席する方向で調整中。日露首脳会談も予定されており、
日本側は北方領土問題も議題とする考えだ。7日は1855年に日露通好
条約が締結された日にちなんだ「北方領土の日」。

 

長きに渡ってソ連、そしてその後を引き継いだロシアによって、我が国の
領土である択捉島国後島色丹島歯舞群島を実効支配されている。大
東亜戦争の末期に火事場泥棒的に参戦したソ連が、我が国がポツダム宣言
を受け入れた後も、これらの島々に上陸し武力をもって占領したのである。
それが未だに解決していないのは極めて残念だが、少なくとも我が国政府
北方領土で譲歩するつもりはないことを、ロシアにメッセージを送らね
ばなるまい。そして、北方領土問題が国民の間では風化しつつある中で、
政府が果たす役割とは何かを真剣に考えて欲しいものだ。このままではい
つまで経っても、北方領土問題は解決しないであろう。サハリンで行われ
る予定の日露首脳会談で、俎上にも乗らないようなら、麻生首相の信頼は
間違い無く地に落ちる。