鳥取県の公立小学校には「学級委員長」がいない。リーダーを決めれば差
別につながる、との抗議を人権団体などから受け自粛した結果なのだそう
だ。しかし、2009年春から鳥取市で1校だけ20年ぶりに「学級委員
長」が復活する。市の教育委員会が2、3年前から子供達の社会性、自主
性を育てるために復活を呼び掛けてきた成果らしいが、後に続く学校が現
れるかはわからないという。鳥取県の公立小学校が「学級委員長」を無く
したのは、人権団体などから「委員長になれなかった子供が傷つく」「自
分にはできないと劣等感が生まれる」などの抗議があり、自粛が全県に広
がったためだという。

 

冗談のような本当の話が鳥取県の公立小学校で起きていたようだ。鳥取県
教育委員会は 「様々な子供に活躍の場を与えることを目的に、リーダ
ーの固定を避けているのだろう。必ず学級委員長を置かなければならない
という規定はないため、それぞれの学校の判断に任せている」と判断を避
けており、このような事なかれ主義は人権団体の抗議に屈したと同じでは
ないか。さらに運動会の徒競走でも全員が同時にゴールできるように、走
るのが遅い子供に対しては、コースをショートカットしたり、スタートラ
インを他の生徒より前にしたりする学校もあるらしく、さすがに行きすぎ
な感が拭えない。小学校で「競争」を学ばずに中学に進学し、そして高校
受験となれば嫌でも競争に巻き込まれるのだ。人権団体や、その抗議に屈
した学校の教員が教えた形だけの「平等」は人生の岐路において、最も大
きな障害として立ち塞がるであろう。