麻生太郎首相は19日午前の衆院予算委員会で、ロシアのメドベージェフ
大統領との首脳会談で北方領土交渉の加速で一致したことに関連し「次回
までにきちんとした帰属問題の答えを示してもらいたい」と要請した事実
を明らかにした。首相は4月にロンドンで開く2回目の緊急首脳会合の機
会に次回の日ロ首脳会談を開く方向で合意している。首相は「四島の帰属
が一番の問題。これが最終的に解決しない限り、他が解決しない」と述べ、
四島の帰属問題を解決して平和条約を締結する方針を堅持する考えも示し
た。新党大地鈴木宗男氏への答弁。18日の日ロ首脳会談では北方領土
問題について「独創的で型にはまらないアプローチ」で解決を目指す方針
を確認。鈴木氏は「政策転換ではないかという感情が地元にはある」と指
摘した。

 

択捉島国後島色丹島歯舞群島旧ソ連に火事場泥棒的に奪い取って
から、我が国が旧ソ連、そしてロシアとの間に抱える領土問題となってい
る。そんな中で、18日の日ロ首脳会談ではメドベージェフ大統領より「
独創的で型にはまらないアプローチ」なる曖昧な発言が出たとされるが、
これがどのような話なのか、具体像が見えないままでは期待をしてはなら
ないだろう。我が国としては、あくまで四島を一括しての返還を求める立
場を崩せない以上、色丹島歯舞群島の二島返還でケリを付けたいロシア
とは意見の一致を見ないのも当然である。このまま議論が平行線を辿れば、
いつまで経っても領土問題は解決しない、そう遠回しにメドベージェフ大
統領は言いたかったのかもしれない。いずれにしても次回の日ロ首脳会談
で進展がないようでは、この発言の真意をつかみ取ることは出来ないのだ。