自民党笹川尭総務会長は19日の記者会見で、小泉氏の欠席表明につい
て「党の方針と違うと、それなりの対応をしないといけない」と、造反し
た場合は処分を検討する考えを示した。この日、党幹部を中心に「かつて
のリーダーが結束を乱すことを言うのは解せない」などと批判が相次いだ。
夜には各派閥の事務総長が会談し「小泉発言に同調することなくしっかり
やっていく」ことを確認するなど、派内の引き締めに躍起だった。いずれ
も小泉発言を黙認すれば、2005年の郵政解散・総選挙で初当選した「
小泉チルドレン」らに同調の輪が広がり、再可決できなくなる恐れがある
と、懸念しての動きだ。そうした事態を招けば、麻生政権の命取りになり
かねない。

 

高村正彦前外相の「全軍が苦しい戦いをしているときに、元司令官が後ろ
から狙い定めてバズーカ砲を撃つようなことは慎んでもらいたい」と言っ
た発言があったように、コロコロと首相の顔が変わるのが当たり前の中で、
異例の長期政権を築いた小泉元首相の政権批判は影響力はそれ相応にある
だろう。この流れを断ち切るために「党議手続きをきちんと踏んで決定し
たことだ。与党所属の国会議員として従ってもらうのが筋だ」と麻生首相
が一転して批判に踏み切り、自民党の幹部も小泉元首相への批判を強めて
いる。盟友であった中川前財務・金融担当相が辞任に追い込まれ、もはや
土壇場に追い込まれた麻生首相だが、これ以上ダメージを負うわけにはい
かなくなった。郵政解散で与党を大勝させた小泉元首相にさえも、正面き
って向き合う他は無いのだ。