民主党小沢一郎代表は20日、都内の個人事務所で国民新党亀井静香
代表代行と会談し、次期衆院選が迫った時期に、連立政権の樹立を念頭に
民主、社民、国民新の野党3党で共通の政権公約の柱をまとめる考えで一
致した。関係者によると、亀井氏が「政権交代しても社民党国民新党
の連立政権になることは間違いない。今から政権公約をすり合わせるべき
だ」と求めたのに対し、小沢氏は「分かっている。ただ、選挙が近づいて
からだ」と応じた。民主党は次期衆院選単独過半数を確保した場合でも、
参院では社民党国民新党の協力が得られなければ過半数に届かないため、
他党との連立政権を想定している。

 

民主党にとってのアキレス腱は、現在与党を揺さぶっている最大のカード
である参院にある。2年前の参院選与野党逆転が実現し、いわゆる衆参
のねじれ状態が起きたわけだが、民主党単独で過半数を制することは出来
なかったため、社民党国民新党議席数を考慮しなくてはならなくなっ
た。この解消のためには来年の参院選で大勝しなくてはならず、次期衆院
選で政権交代が実現したとしても、結局この二党を無視して政権運営する
ことはかなわない。次期衆院選参院選の間で民主党が言うような確たる
成果が出せなければ、参院選で大勝することは難しいだろう。むろん、一
年程度の短い期間で何からの成果を出す方が難しく、場当たり的な政策を
連発して国民の歓心を買ってばかりでは、逆にその魂胆を見透かされるだ
けであろう。連立政権を目指すにしても、国民新党はともかくとして社民
党まで引き入れなければならないとは、難儀なことである。