民主党前原誠司副代表は14日、京都市内での国政報告会で、小沢一郎
代表の資金管理団体をめぐる違法献金事件について「あれだけの献金をも
らうと、『それが合法であったっていいのか』という問題がある。私から
すると考えられない数字」と述べ、疑問を呈した。ただ、小沢氏の進退に
ついては「私もメール問題で代表を辞任したが、辞める辞めないは外野が
言うことではない」と述べるにとどめた。前原氏はまた、民主党のマニフ
ェストから「公共事業受注企業からの献金全面禁止」の文言が、小沢氏が
代表就任後の07年参院選から無くなったことについて「復活させてしっ
かり書き込む。国民に疑念を持たれないようにするのが大事」と、次期衆
院選のマニフェストに明記すべきだとの考えを示した。

 

小沢代表とは距離を置いているとされる前原副代表だが、なかなか痛いと
ころを突いてきたのではないか。特定の企業から巨額の献金を受けた事実
は、余計な疑念を持たせる結果となり、合法であったとしても、軽率の謗
りは免れないとの批判だろう。民主党マニフェストに「公共事業受注企
業からの献金全面禁止」があったのは初耳だが、それを小沢代表が就任後
にはわざわざ削除したことは、公共事業受注企業と深い関係にあることを
自ら証明したようなものであろう。誤解を受けないと言う意味では前原副
代表の言うように、削除した文言を復活させた上で次期衆院選の臨むのが
筋ではないか。公共事業受注企業からの献金が絶対に必要、と言えるだけ
の理由があるとも思えない。小沢代表はこの問いかけにどう反応するか注
目したい。